2023.06.28
自分のやりたいこと、やったほうがいいと思ったことは、どんどん発信していく – 田中淳子の『人材育成』応援ラジオ 書き起こし

本記事では、トレノケート株式会社で配信しているVoicy番組 田中淳子の「人材育成」応援ラジオ から、好評をいただいた放送をピックアップして文字としてお届けします。
音声でお聞きになりたい方は、Voicy内チャンネル をご覧ください。
「田中淳子の『人材育成』応援ラジオ」 とは
パーソナリティは、人材育成に携わって37年、人材教育シニアコンサルタントの田中淳子が務めます。自社の人材育成を考える上でヒントとなるようなちょっとした知識やスキル、具体例など、人材育成にご興味・関心がある方向けに役立つヒントを毎日約15分でお伝えします。
今回は、IT講師・山下光洋との対談を取り上げる第3回の後編、 #168 自分のやりたいこと、やったほうがいいと思ったことは、どんどん発信していく。実現しなくてもそれはマイナスではない。 よりお届けします。
前編は、山下のこれまでのキャリアや、「認定」を受けることの重要さに気付いたきっかけなどについて話していましたが、後編ではそうして得た知識をアウトプットすることの大切さを中心に話しています。
※読みやすさを意図して、会話の内容、趣旨を変えずに表現などを一部変更しています。
INDEX
目次
スキルを活かす場所は自分で作れる
ブログは自分の実績を積み重ねるのにも向くアウトプット
スキルを活かす場所は自分で作れる
田中
前編の最後で、「認定」を取るなど実力をつけたら、その次のステップとして職場などで自分の価値を生かして居場所を作ろうというお話がありました。具体的には、それはどのようにすればよいでしょうか?
山下
前編で少し触れたように、会社がプロジェクトなどの、そのスキルを活かす場所を用意してくれる場合はそれを利用すればいいですし、ないのであれば自分で企画をして、「やりたい」「やらせてくれ」をアピールすべきです。口に出さないと、思っていることは伝わらないんですよね。
企画を出すときのポイントとしては、自分の「やりたい」だけではなく、「やったらどうなるか」の部分を入れることです。そこが会社としてもメリットがあることにつながっていれば、多分通るはずです。それを通して自分自身の価値や、取った「認定」の価値を高めていくことにもなります。
そして、仮にこれが通らなかったとしても、マイナスの効果を生むことは無いはずです。 プラスかゼロのままなので、言って損はないですよね。
ですので、やろうと思っていることは、絶対に口に出していった方が良いです。
田中
それは役職やポジションなどは関係なくですか?
山下
はい、関係なくです。
そうしないと、偉くならないと言えないということですから、現状から何も変わらなくなってしまいます。
田中
たしかに。どんな会社でも、社長になる人は一人ですもんね。
山下
そうです。何かしたかったら偉くならないと、という話もありますが、個人的には『本当にそうなのか?』と思います。
役職がない人の意見やなし得たいことがもし間違えているのであれば、そうフィードバックすればいいだけですし、本人にとってそれも一つの学びになります。ですので、偉くなるまで学べないのはおかしな話だと思うんですよね。
田中
その話、すごく分かります。
自分にとってもやりたいことで、会社やその仕事、お客様にとっても重要だったら、それを自分が訴えていかないといけないですよね。もし自分以外の誰もその分野が専門じゃなかったら、自分が何も言わなければそこにはその仕事が生まれなくなってしまいます。
私も山下さんもいわゆる“平社員”ですので、山下さんだからできるという話でもない。もちろん、私はベテランだからとか、山下さんはそれなりの講師だから比較的言いやすいですが、社歴に関係なく本当に大事なことだと思います。
偉くなったらやる、ではないですよね。
山下
はい。むしろ私の場合、10個言って1個できるかできないかぐらいです。
田中
それは、トレノケートでもですか?
山下さん、結構すぐ稟議を書いているイメージがありましたが、それでも実現していないものも多いんですね。
山下
実現しなかったものもありますし、1年や2年後に実現したものもあります。
田中
一般的なケースで考えると、例えば入社3年~4年目ぐらいの若手の社員さんだと、仕事を分かってきて会社に対する不満だらけになりがちな時期ですよね。実際、若手研修を実施すると、皆さんモチベーションが下がっているケースを良く目にします。「あれをやればいいのにやろうとしない」とか、上司や社内への文句をグループワークの中で言う人が多いんです。
でも、彼らが思うそういったことを、企画書にしたり、上司に説明したり、というアクションを取ればいいのですよね。
山下
はい、そうですね。
もっと気軽に、誰かに相談するだけでもいいと思います。もし、上司には話しづらいのであれば、自分が話を上げやすい人に相談するとか、ですね。
その際の企画書は、私の場合はWordで1、2枚ざっと書くだけです。それがもし読みにくかったり、判断できない内容だったりしたら、そうした点を相談した人に教えてもらえます。そこを修正して、また出し直す、ということをやっています。
田中
いろいろな人にぶつけてみて、揉まれて、これならあの部長も良いって言ってくれるかな、というところまで持って行く、ということですね。なるほど。
山下
あとは、突然そのアイディアを出すよりも、社内のSNSなどがあれば、そうした場で思いや考えを発信しておくと、「ああ、そういうことしたいって言ってましたよね」とか、印象付けができます。
ですので、思っていることを口に出して言っておく方がやっぱり良いと思います。
ブログは自分の実績を積み重ねるのにも向くアウトプット
田中
そうして何かを実現できたら、さらにそれをまたアウトプットして行くわけですね。
山下さんはブログを書くなどもされてますけど、おすすめのアウトプット方法はありますか?
山下
そうですね、ブログは1つあると思います。会社のブログでも、個人のブログでもいいですが、
会社の公式なブログでは情報面や構成などの制限でアウトプットしづらいようでしたら、個人のブログでもよいのではないでしょうか。
田中
そうした活動が、また自分の世間に対する実績にもなっていくということですね。
山下
なっていきますね。特にフリーランスの方や副業されている方で、個人で書いているブログがきっかけで企業からオファーが来てプロジェクトや仕事を請け負っているという話もよく聞きます。世の中に出しておくことで、それがそのまま自分のセールスになるんです。
田中
私も連載のオファーが来たら、とりあえず引き受けています。何年も前のその連載が誰かの記者の目に留まって取材が来たり、新しい別の連載の依頼が来たりするので、アウトプットは次の仕事につながる実感があります。
山下さんがすごいなと思うのは、スピード感ですね。さっきツイッターで何かのイベントの件を呟いていたと思ったら、その30分後ぐらいにブログを公開していますよね。
山下
あれは、単に置いておくとやらないからですね。
私はすごく面倒くさがりなので、後でレポート書こうと思っても出来ないんです。なので、参加しながらレポートを書き出して、そのイベントが終わる時にアウトプットしてしまうことにしています。
その方が集中して聞くことができたり、自分の中での噛み砕きが増えたりします。その意味でも、効率が良いなと思っています。
田中
そうして発信することでほかの方たちにも役立つ情報になりますね。
それでは、最後にメッセージをお願いします
山下
今回一番お伝えしたかったのは、やろうと思っていることや、やり始めていることを身の回りの人や関係する人たちに発信していきましょう、ということです。自分がやろうと思っていることをとにかく口に出すことによって、それがやりやすくなっていきます。
多くの場合は、「やりやすくなる」か「何も変わらない」だけなので、言ったことで邪魔されるといったマイナスなことは経験上そんなにないと思います。
場合によっては、言わずにやって実績を作ってからの方がやりやすいこともあるかもしれないですが、特に信頼できる人にはなるべく言っておいた方がいいです。
田中
信頼できる人には、というと、どういう意味でしょうか。
山下
この人は絶対邪魔してくるだろうなあ、と予測される人には黙っていてもいいと思います。
でも、信頼できる人たちは早めに巻き込んでおいた方が絶対いいです。
田中
『前から言っていたよね。』とか、『いつもそんなこと言っているもんね。』みたいな賛同者や、その世界観を共有してくれる人が増えるからですね。
私はキャリアの専門家として、自分が一番幸せな気分でいるためには、他人から与えられるのを待つばかりではなく、自分ができることは何でもやってみたらいいと思っています。今回の話は、多分そういったことにつながるのではないかな、と思って聞いていました。
どうもありがとうございました。
山下
ありがとうございました。